2026-08-21

相続した実家が空き家のままになっており、このまま所有を続けるべきか、不動産売却をしたほうがよいか悩んでいませんか。
そのような方に関係が深いのが、空き家の譲渡所得に対する3,000万円特別控除という税制上の優遇措置です。
適用されれば大きな節税につながりますが、誤解されやすい適用条件や売却期限、他の特例との関係など、事前に押さえるべきポイントが多くあります。
そこで本記事では、空き家の特別控除とは何かという基本から、具体的な適用条件、税金計算への影響、手続きの流れまでをわかりやすく解説いたします。
相続した空き家の負担を少しでも軽くし、後悔のない不動産売却につなげたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
相続した空き家を売却したときの「3,000万円特別控除」は、正式には「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれる制度です。
相続や遺贈で取得した被相続人居住用家屋やその敷地を、一定の要件を満たして譲渡した場合に、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる仕組みです。
この特例は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間の譲渡が対象とされています。
適用を受けるためには、確定申告で必要な書類を添付して手続きを行うことが前提になります。
同じ3,000万円の特別控除としては、マイホームを売却したときの「居住用財産の3,000万円特別控除」が広く知られています。
マイホームの特別控除は、自分が住んでいた家や敷地を譲渡した場合に適用されるのに対し、空き家の特例は亡くなった方が生前住んでいた家屋を相続人が売却した場合に適用される点が大きな違いです。
また、空き家特例は老朽化した空き家の発生を抑制し、耐震改修や除却のうえでの売却を促す目的で導入された制度とされています。
そのため、対象となる家屋の状態や譲渡の方法に関して、通常のマイホーム特例より細かな要件が設けられていることが特徴です。
相続した空き家の売却を検討している方にとって、この特例を理解しておくことには大きなメリットがあります。
まず、譲渡所得から最大3,000万円が控除されることで、所得税や住民税の負担を大きく軽減できる可能性があります。
次に、適用期限や要件を事前に把握しておけば、売却の時期や方法を計画的に検討しやすくなります。
さらに、マイホーム特例など他の制度との関係も踏まえて検討することで、相続した不動産をより有利な条件で整理しやすくなります。
| 項目 | 空き家特例 | マイホーム特例 |
|---|---|---|
| 対象となる財産 | 相続した被相続人居住用家屋等 | 自己居住用の家屋及び敷地 |
| 特別控除額 | 譲渡所得から3,000万円控除 | 譲渡所得から3,000万円控除 |
| 制度の主な目的 | 空き家発生の抑制と除却促進 | 住み替え時の税負担の軽減 |
空き家の3,000万円特別控除を受けるためには、まず対象となる家屋と敷地の要件を整理しておくことが大切です。
国税庁の案内によると、この特例の対象となるのは、被相続人が1人で居住していた家屋とその敷地で、相続開始直前に事業や賃貸に使われていなかったことなどが必要とされています。
さらに、旧耐震基準で建築されたことや、耐震リフォームを行うか、または取り壊して土地のみを売却することといった条件もあります。
こうした前提条件を正しく確認しておくことで、売却後に特例が使えないと判明する事態を防ぐことができます。
次に、適用期間や売却期限、譲渡価額の上限といった時間的・金額的な条件を確認しておく必要があります。
この特例は、相続または遺贈で取得した空き家や敷地を、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが要件とされています。
また、国税庁の情報では、譲渡の対価の額が1億円以下であることが条件とされており、この上限を超えると特別控除は受けられません。
なお、制度自体の適用期限は令和9年12月31日までとされているため、売却の時期を検討する際には暦年のスケジュールも意識することが重要です。
さらに、相続人が複数いる場合には、特別控除額や適用の考え方にも注意が必要です。
令和6年以降は、家屋と敷地を取得した相続人が3人以上である場合、控除額の上限が2,000万円に引き下げられる取扱いが導入されており、各自治体の周知資料でもこの点が説明されています。
また、相続人が複数いるときでも、空き家特例を実際に利用できるのは、その家屋や敷地を実際に売却した相続人に限られます。
どの相続人が売却を行い、誰が特例を使うのかを事前に話し合い、他の相続人に売却の事実をきちんと知らせておくことが、円滑な手続きにつながります。
| 確認項目 | 主な条件 | 売却前の注意点 |
|---|---|---|
| 家屋と敷地の要件 | 被相続人単身居住・旧耐震等 | 居住実態と利用履歴の確認 |
| 期間と金額の条件 | 相続開始後3年内・1億円以下 | 売却時期と価格設定の検討 |
| 相続人が複数の場合 | 3人以上は上限2,000万円 | 特例利用者と配分の事前協議 |
まず、空き家を売却したときの譲渡所得は、「譲渡価額-取得費-譲渡費用」で計算し、その金額から特別控除額を差し引いて課税対象となる所得を求めます。
空き家の特別控除が適用できる場合は、この譲渡所得から最高3,000万円を差し引くことができ、譲渡所得が3,000万円未満であれば、その全額が控除の上限になります。
また、特別控除を差し引いた後の課税長期譲渡所得に対しては、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得としての税率が適用されます。
このように、計算の流れを事前に理解しておくことで、売却後の税負担を具体的にイメージしやすくなります。
次に、空き家の3,000万円特別控除と、マイホームの3,000万円特別控除など他の特例との関係を整理しておくことが重要です。
同じ譲渡については、空き家特例とマイホーム特例など複数の3,000万円特別控除を重ねて適用することはできず、どの特例を選択するかを判断する必要があります。
一方で、同じ年の中で相続した空き家と自宅をそれぞれ売却した場合には、空き家特例とマイホーム特例を併用することは認められていますが、両方を合わせた特別控除額の合計は3,000万円が上限とされています。
そのため、売却の順番や時期、どの物件で特例を利用するかを、税金面から慎重に検討することが大切です。
また、特別控除が使えないケースや、適用しても税負担が思ったほど下がらない場合にも注意が必要です。
たとえば、譲渡価額が1億円を超える場合や、被相続人が生前に居住していなかった物件など、空き家特例の要件を満たしていないときには、この特別控除は利用できません。
さらに、相続財産の取得費に相続税額を加算できる特例を選んだ結果、空き家特例との組合せによっては、期待したほどの節税効果が得られない場合もあります。
どの特例を使うかによって税額が大きく変わることがあるため、売却計画の段階から税金計算を試算し、無理のない資金計画を立てておくことが重要です。
| 項目 | 内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 譲渡所得の計算 | 収入金額から取得費等控除 | 取得費や譲渡費用の把握 |
| 特別控除の選択 | 空き家特例か他特例か | 同一譲渡で重複適用不可 |
| 控除が使えない場合 | 要件不充足や1億円超 | 売却前の条件確認徹底 |
空き家の3,000万円特別控除を受けるには、必ず確定申告を行う必要があります。
申告書本体に加えて、譲渡所得の内訳書や売買契約書の写しなど、複数の書類を添付することが求められています。
特例用のチェックシートも公表されているため、要件を確認しながら準備を進めると安心です。
このように事前に流れを把握しておくことで、売却後の手続きをスムーズに進めやすくなります。
空き家特例の確定申告では、国税庁が定める添付書類を揃えることが重要です。
具体的には、被相続人居住用家屋及びその敷地等の登記事項証明書や、譲渡価額1億円以下であることを示す売買契約書の写しなどが必要とされています。
さらに、被相続人居住用家屋が一定の期間内に取壊されている場合には、その事実を示す登記事項証明書等の添付も求められます。
どの書類も取得に日数がかかる可能性があるため、売却後できるだけ早く手配を始めることが大切です。
空き家特例を利用するには、「被相続人居住用家屋等確認書」を市区町村に申請し、交付を受けることが必要です。
この確認書は、被相続人が亡くなる直前まで居住していたことや、家屋の築年数など、税務署が判断するための重要な資料となります。
申請先は売却した家屋の所在地を管轄する市区町村であり、申請書のほか、登記事項証明書、固定資産税関係書類などの提出を求められることがあります。
取得までに時間を要する場合もあるため、売買契約の前後から余裕をもって市区町村窓口へ相談しておくと安心です。
| 手続きの段階 | 主な準備書類 | 相談先の目安 |
|---|---|---|
| 売却前の準備段階 | 登記事項証明書一式 | 不動産会社や司法書士 |
| 確認書の申請段階 | 被相続人居住用家屋等確認書関係 | 家屋所在地の市区町村窓口 |
| 確定申告の申告段階 | 申告書類と添付書類一式 | 税務署や税理士等 |
空き家の3,000万円特別控除は、相続した空き家を売却するときの税負担を大きく減らせる重要な制度です。
ただし、被相続人の居住状況や建物の状態、譲渡価額1億円以下といった細かな条件を満たす必要があります。
適用可否によって手取り額が数百万円単位で変わることもあるため、売却前の事前確認が欠かせません。
当社では、条件確認から税理士等と連携したシミュレーション、必要書類の整理まで丁寧にサポートいたします。
相続した空き家の売却や特別控除の活用でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
資格:宅地建物取引主任者 賃貸不動産経営管理士 ほめ達3級
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