2026-07-13

親から相続した実家や土地を、何となくそのままにしていないでしょうか。
全国的に空き家や放置不動産が増える中で、相続後に放置していると、固定資産税などの費用負担だけでなく、将来の売却や処分が一気に難しくなるおそれがあります。
また、登記を放置したまま相続人が増えると、法律や税金、管理の面で思わぬトラブルに発展することもあります。
しかし、早い段階で状況を整理し、実家や土地の活用や手放し方を検討すれば、これらのリスクは抑えることが可能です。
本記事では、相続後の放置によるデメリットと、今から取れる具体的な対策を分かりやすく解説します。
全国では空き家が年々増加しており、総務省統計局の住宅・土地統計調査では、2018年時点で空き家数が約849万戸、空き家率が13%台と過去最多となっています。
こうした状況を受けて、国土交通省や総務省は、空き家対策の推進や実態把握を進めています。
枚方市でも空家等対策計画が策定されるなど、地域として空き家問題への対応が求められている状況です。
寝屋川市や交野市でも同様に、空き家の発生抑制や適正管理を重要な課題と位置付けています。
相続により親の不動産を取得した場合、本来は名義を書き換える相続登記の手続きが必要です。
法務省は、所有者不明土地の増加を防ぐため、2024年4月から相続登記の申請を義務化しており、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が求められます。
この義務は、過去に相続したまま登記をしていない不動産にも及ぶため、古い名義のまま放置している実家も対象になります。
相続登記を先送りにしていると、相続人の世代交代が進み、権利者が増えて手続きが一層複雑になります。
実家を相続したにもかかわらず「何もしない」状態が続くと、さまざまな問題が積み重なります。
法律面では、相続登記の申請義務に違反した場合、正当な理由がなければ過料の対象となる可能性があり、将来の売却や活用の際にも手続きが困難になります。
税金面では、固定資産税などの支払い義務だけが残り、空き家の状態が長期化するほど負担感が増していきます。
管理面でも、建物の老朽化や庭木の繁茂、害虫・不法侵入などのリスクが高まり、近隣からの苦情やトラブルにつながるおそれがあります。
| 観点 | 放置した場合の影響 | 早期対応による効果 |
|---|---|---|
| 法律・手続き | 相続登記義務違反のリスク | 円滑な売却や活用の実現 |
| 税金・費用 | 固定資産税等の負担長期化 | 不要資産の整理による軽減 |
| 管理・近隣関係 | 老朽化や苦情発生の懸念 | 安全性確保とトラブル予防 |
相続した実家や空き家を長期間放置すると、毎年発生する固定資産税や都市計画税に加えて、草刈りや簡易補修などの管理費用が重なり、相続人の家計を圧迫しやすくなります。
さらに建物の老朽化が進むと、雨漏り対策や倒木防止のための工事など、突発的な支出が高額になりやすい点も注意が必要です。
総務省の住宅・土地統計調査でも、空き家数の増加が全国的な課題となっており、早めに方針を決めて維持コストを抑えることが重要だといえます。
老朽化が進んだ空き家は、倒壊や火災の危険性、衛生や景観の悪化などを通じて周囲に悪影響を及ぼすおそれがあり、市区町村から「特定空家」や、改正後の制度では「管理不全空家」に該当すると判断される場合があります。
このような空き家に勧告が出されると、土地に適用されている住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減額特例が解除され、税負担が大きく増える可能性があります。
指導や勧告を受けても改善しないまま放置した場合には、行政代執行による強制的な除却と、その費用負担につながることもあり、相続人にとっては大きな経済的リスクです。
空き家を放置した結果、建物の一部が飛散して隣地の車両や建物を傷つけたり、敷地内で雑草が繁茂して害虫が発生したりすると、近隣から苦情が寄せられ、損害賠償や原状回復対応に追われるおそれがあります。
相続人が複数いる場合には、修繕や解体、売却の方針をめぐって意見が分かれ、話し合いが長期化することで心理的な負担も大きくなりがちです。
連絡調整や行政手続きに費やす時間も少なくないため、「何もしないで放置すること」が、金銭だけでなく心身の負担も積み重ねてしまう点を理解しておくことが大切です。
| 項目 | 放置した場合の影響 | 早期対応した場合の効果 |
|---|---|---|
| 税金・維持費 | 固定資産税増加や補修費膨張 | 活用や売却で負担軽減 |
| 建物の状態 | 老朽化進行と安全性低下 | 計画的修繕でリスク抑制 |
| 心理的・時間的負担 | 近隣対応や相続人間対立 | 早期合意で負担の分散 |
相続した実家や土地については、そのままにしておくのではなく、早い段階で活用や処分の方向性を検討することが大切です。
主な選択肢としては、相続人自身が住む、賃貸として貸し出す、建物を解体して更地として活用する、売却して資金に変えるなどがあります。
不動産ジャパンでも、実家の売却や賃貸活用、管理のしやすさを踏まえた活用方法が紹介されており、家族の状況や資金計画に応じて方法を選ぶことが重要とされています。
いずれの選択肢にも費用や手間、税負担の違いがあるため、メリットとデメリットを比較しながら検討することが欠かせません。
空き家の発生を予防するには、早めに管理体制を整えることが有効です。
国土交通省が示す空き家の管理指針では、定期的な換気や清掃、建物や敷地の点検、庭木や雑草の手入れなど、基本的な管理の重要性が強調されています。
遠方に住んでいて自分で管理することが難しい場合には、管理を委託する方法や、維持管理の手間と費用を抑える観点から、早めに賃貸や売却、解体を検討することも有力な選択肢になります。
将来のライフプランや家族構成の変化を見据えながら、「いつまで所有するのか」「どの段階で手放すのか」をあらかじめ考えておくことが、結果として空き家問題の回避につながります。
さらに、法的な整理を早めに行っておくことも重要です。
相続財産に負債が多い場合には、家庭裁判所への申述による相続放棄を検討でき、相続の開始を知ったときから原則3か月以内に判断する必要があります。
また、共有名義の不動産をそのままにしておくと、将来の売却や建替えの際に、全員の同意が必要となり意思決定が難しくなるため、持分の集約や遺産分割協議による単独名義化などを検討することが望ましいとされています。
このように、相続放棄や共有名義の整理といった基本的な手続きも含めて、早期に方向性を決めておくことが、相続人の負担軽減につながります。
| 選択肢 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自分が住む | 生活拠点として活用 | 修繕費と固定費の確認 |
| 賃貸として貸す | 家賃収入の確保 | 空室リスクと管理負担 |
| 解体・売却する | 資産を現金化 | 解体費用と税負担 |
相続した実家や土地を放置しないためには、まず現状を客観的に把握することが大切です。
具体的には、名義が被相続人のままになっていないか、建物の老朽化が進んでいないか、現在誰も住んでいない「空き家」に該当しないかなどを確認します。
あわせて、固定資産税や都市計画税、火災保険料など、毎年かかっている費用も整理し、将来の負担感を見える化しておくと判断しやすくなります。
国の調査でも、全国の空き家率は令和5年時点で13.8%と上昇しているため、早めの確認と対応が重要になっています。
次に意識したいのが、将来の二次相続や世代交代を見据えた家族間の話し合いです。
国土交通省は、自宅や実家の将来について、空き家になる前から家族で方向性を決めておくことの重要性を示しており、誰が住むのか、売却や賃貸に出すのかといった方針を共有しておくことが有効とされています。
また、相続税や固定資産税の見通し、建物の維持管理費用などについても、複数の相続人で情報を共有しておけば、将来の負担に対する納得感を得やすくなります。
話し合いの内容は、口頭だけでなく簡単なメモや家族会議の記録として残しておくと、時間がたってからの行き違い防止にもつながります。
さらに、地元事情に詳しい専門家へ早めに相談することで、法改正への対応漏れを防ぐことができます。
相続登記については、令和6年4月から相続開始を知った日から3年以内の申請が義務化されており、放置すると過料の可能性があるため、登記の状況確認は特に優先度が高いと言えます。
相談の前には、登記簿謄本、固定資産税の納税通知書、建物の築年数や増改築の有無、空き家になっている期間などを整理しておくと、話が具体的になりやすく、適切な助言を受けやすくなります。
このように、現状の把握・家族での共有・専門家への相談という流れを意識して進めることで、相続した不動産を無理なく管理しながら、将来の選択肢を広げることができます。
| 確認項目 | 内容の目安 | 相談先の例 |
|---|---|---|
| 登記状況の確認 | 名義・持分・相続登記の有無 | 法務局相談窓口 |
| 建物・土地の状態 | 老朽化・空き家期間・管理状況 | 建築士相談窓口 |
| 税金と費用負担 | 固定資産税・保険料・修繕費 | 税金相談窓口 |
相続後に実家や土地を放置すると、税金や管理費用の負担増だけでなく、倒壊・火災リスクや近隣トラブルなど多くのデメリットが生じます。
また、相続登記を放置すれば相続人が増え、将来の売却や処分が困難になるおそれもあります。
実家をどうするか迷っている段階でもかまいません。
現状の確認と今後の方針整理から一緒にお手伝いしますので、まずはお気軽にご相談ください。
早めの一歩が、ご家族と不動産を守る大きな安心につながります。
資格:宅地建物取引主任者 賃貸不動産経営管理士 ほめ達3級
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