2024-12-10
節税対策としても注目されている相続時精算課税制度ですが、実際にどのような制度なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
相続時精算課税制度は、一定金額まで非課税とすることが可能ですが、注意点も多いため、しっかりと理解してから利用することをおすすめします。
そこで、相続時精算課税制度とは、どのような制度なのか、計算方法や注意点を解説します。
枚方市を中心に、京阪エリア(寝屋川市、交野市、大東市、高槻市、守口市、四條畷市)全域で相続の予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
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生前にできる相続税対策の1つに「相続時精算課税制度」があります。
うまく活用することで相続税を大幅に節税できる可能性がありますが、注意すべき点も多いのが特徴です。
ここでは、まずはどのような制度なのか見ていきましょう。
相続時精算課税制度とは、贈与時に2,500万円までは非課税となり、その後の相続時には非課税とした分も相続税に加算されるという制度です。
つまり、相続が発生した際に、非課税となった贈与税分も合わせて課税されるという意味です。
たとえば、生前に相続時精算課税制度を利用して子どもに2,000万円を贈与したと仮定します。
この贈与したときは、2,000万円まで非課税となるため、贈与税は一切かかりません。
しかし、相続が発生したときに、贈与した2,000万円分を相続財産に足した金額に対して相続税が課税されることになるのです。
2,500万円までは非課税となるため、一見するとお得のように思えますが、最終的には相続税が課税されるため注意が必要になります。
つまり、相続時精算課税制度は、税金を免除するという制度ではなく、相続時まで税金を先送りできる制度と考えておきましょう。
相続時精算課税制度の適用を受けるためには、財産をあげる贈与者が贈与した年の1月1日時点で60歳以上の父・母または祖父母であることが条件です。
また、財産をもらう側は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上で、子や孫の直系卑属であることを満たす必要があります。
なお、成人年齢は民法改正により20歳から18歳に引き下げられたため、受贈者(財産をもらう側)の年齢要件も20歳以上から18歳以上に引き下げられています。
この制度を利用するには、税務署に「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。
提出する際は、贈与税の申告書および戸籍謄本、住民票などの添付書類も併せて必要です。
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続いて、実際に相続時精算課税制度を利用した際に、贈与税ならびに相続税はどのくらいかかるのか、計算方法について解説します。
贈与税額は、1年間に受けた財産の価額の合計額をもとに贈与税額を計算します。
相続時精算課税制度では、2,500万円までの贈与が非課税となるため、贈与財産の総額から2,500万円まで差し引き、それ以上の金額に対しては、一律20%の税率が課税されます。
計算式にすると以下のとおりです。
贈与税額=(贈与財産の総額-2,500万円)×20%
たとえば、贈与した財産の総額が5,000万円の場合は、「贈与税=(5,000万円-2,500万円)×20%=500万円」となります。
相続税には、一定の金額まで非課税になる基礎控除額というのが設けられています。
つまり、この基礎控除額以下であれば相続税が課税されることはありません。
なお、基礎控除額は、法定相続人の人数によって異なり、以下の計算式で算出されます。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
たとえば、法定相続人が2人いる場合の基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円」となり、4,200万円までは相続税がかかることはありません。
逆にいえば、4,200万円を超えた額については、相続税が課税されることになります。
相続税の具体例
今回は、わかりやすく法定相続人は受贈者1人のみとし、具体的な例を出して実際に相続税を計算してみましょう。
相続時精算課税制度を利用して贈与を2,000万円受けており、相続発生により相続財産が3,000万円だと仮定します。
この場合は、まず贈与分と相続財産を合計し5,000万円が相続税の課税対象となります。
次に基礎控除額を算出する必要がありますが、相続人は受贈者1人のため前述の計算式に当てはめると基礎控除額は3,600万円です。
そのため、相続財産の5,000万円から基礎控除額の3,600万円を差し引き1,400万円に対して相続税が課税されることになります。
相続税の税率は取得した金額によって異なりますが、1,000万円以上から3,000万円以下は税率15%で、控除額50万円であるためこのケースの相続税は以下のように計算できます。
相続税=1,400万円×15%-50万円=160万円
つまり、このケースの場合であれば、160万円の相続税を納付する必要があります。
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最後に、相続時精算課税制度の注意点を3つ解説します。
後悔しないためにも、利用する前に注意点をしっかり把握してから検討することをおすすめします。
前述したように、相続時精算課税制度は、あくまでも税金の先送りという制度です。
そのため、必ずしも節税となるわけではないため注意が必要です。
状況によっては節税となるケースもありますが、必ず誰もが節税できるわけではないことを理解しておきましょう。
相続税は、原則として現金一括納付ですが、どうしても支払いが難しい場合は延納や物納制度を利用することができます。
しかし、相続時精算課税制度により贈与された財産については、物納として用いることはできないため注意しましょう。
相続時に困らないためにも、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。
贈与を受けてから7年以内に贈与者が亡くなると、生前贈与加算の対象となる可能性があるため注意が必要です。
生前贈与加算とは、亡くなる前7年以内に贈与を受けていた場合に、その贈与額が相続税に加算される制度です。
そのため、亡くなる前の贈与はできるだけ避け、元気なうちに贈与を検討することをおすすめします。
このように相続時精算課税制度は注意すべき点も多いため、利用したほうがメリットがあるのか慎重に考えてから判断しましょう。
相続時精算課税制度は、2,500万円までの贈与分が非課税となるものの、相続時には贈与された非課税分も加算して計算されるため注意が必要です。
そのため、必ずしも節税につながるとは限らないので、慎重に考えてから利用するか判断することをおすすめします。
また、贈与された財産は相続税の支払い時の物納には利用できないため、利用する際は相続発生時に備え、あらかじめ準備しておく必要があるでしょう。
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