不動産取得税や譲渡税はどうなる? 相続税との違いを知りたい相続人向け


「相続した実家を売ると、どんな税金がいくらかかるのか知りたい。」
「不動産取得税や相続税、譲渡税の違いがよく分からない。」
相続した不動産の売却を考えると、多くの方がまずこうした不安や疑問を抱きます。
しかも、調べれば調べるほど専門用語が増え、何から手を付ければよいのか分かりにくくなりがちです。
そこでこの記事では、不動産取得税・相続税・譲渡所得税(譲渡税)の基本から、相続した不動産を売却するまでに「いつ」「どの税金」が関わるのかを、順を追ってやさしく整理していきます。
税金の仕組みを大まかに押さえることで、損をしない売却のタイミングや準備のポイントが自然と見えてきます。
相続した不動産の売却を検討中の方は、まずここから全体像を一緒に確認していきましょう。

相続人が知るべき3つの税金の基本

相続した不動産を売却する場面では、「不動産取得税」「相続税」「譲渡所得税(譲渡税)」という3つの税金の関係を整理して考えることが重要です。
不動産取得税は不動産を取得したときに都道府県が課税する地方税であり、相続税は相続や遺贈などで取得した財産全体に対して国が課税する国税です。
一方、譲渡所得税は不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して所得税と住民税がかかる仕組みを指します。
このように、それぞれ「取得の段階」「相続全体」「売却益」と、役割と対象が異なる点を押さえることが大切です。

次に、不動産を取得した理由によって、どの税金が関係してくるかが変わります。
売買や贈与によって不動産を取得した場合は、原則として不動産取得税がかかり、贈与であれば贈与税の対象にもなり得ます。
これに対して、法定相続人が相続により不動産を取得した場合は、不動産取得税は原則非課税とされ、その代わりに相続財産全体に対して相続税が課税される仕組みです。
同じ不動産の取得でも、「取引による取得」か「相続による取得」かで税目が異なることを理解しておくと、後の資金計画が立てやすくなります。

相続人が不動産を売却するまでの流れの中で見ると、まず被相続人の死亡により相続が開始し、この段階で相続税の対象となる財産や基礎控除額などを確認します。
その後、遺産分割協議や相続登記を経て不動産の名義を相続人に移し、この時点では原則として不動産取得税は生じません。
さらに、相続した不動産を売却したときに、売却価格から取得費や諸費用を差し引いた利益があれば、その部分について譲渡所得税と住民税が課税されます。
このように、「相続開始時」「名義取得時」「売却時」で関わる税金が変わるため、全体の流れを意識しておくことが大切です。

税金の種類 主な対象場面 相続人が見るポイント
不動産取得税 売買・贈与など取得時 取得原因と非課税要件
相続税 相続開始から申告まで 基礎控除と評価額確認
譲渡所得税 不動産売却による利益 取得費と売却益の計算

相続した不動産と不動産取得税のかかり方

まず押さえておきたいのは、相続によって不動産を取得した場合は、原則として不動産取得税がかからないという点です。
不動産取得税は、売買や贈与など「取引」による取得を前提とした地方税であり、被相続人の死亡により一方的に権利が移転する相続は、取引による取得とはみなされていません。
このため、法定相続人が相続により不動産を取得し、相続登記を行っても、通常は申告や納税通知書の送付はなく、不動産取得税の負担は生じない仕組みになっています。

もっとも、遺産分割の方法や、相続人同士の持分調整の仕方によっては、不動産取得税が関係してくる場面があります。
代表的なのは、特定の相続人が不動産を多く取得し、他の相続人へ代償金を支払う「代償分割」の場合や、持分の一部を後から売買や贈与で移転する場合です。
また、相続人以外の人が遺贈(特定遺贈)によって不動産を取得したときや、生前贈与や相続時精算課税制度を利用して不動産を取得したときも、不動産取得税の課税対象となる点に注意が必要です。

相続人としては、不動産取得税がかかるかどうかを見極めるために、いくつか事前準備をしておくと安心です。
具体的には、固定資産税評価証明書や登記事項証明書で不動産の評価額と名義を確認し、遺産分割協議書の内容(誰がどの割合で取得するか、代償金の有無など)を整理しておくことが大切です。
さらに、取得の原因が「相続」なのか「贈与・売買」なのかを明確にし、場合によっては不動産取得税の軽減措置や非課税規定の適用の有無について、税務署や専門家へ早めに相談することが望ましいです。

取得の原因 不動産取得税の扱い 確認しておきたい書類
法定相続人による相続 原則非課税・申告不要 遺言書・遺産分割協議書
特定遺贈や生前贈与 原則課税対象 贈与契約書・遺贈内容資料
代償分割後の持分調整 売買等なら課税の可能性 固定資産税評価証明書

相続税と譲渡税をおさえた不動産売却の考え方

まず相続税については、相続財産全体の価額から基礎控除額を差し引き、その超えた部分に対して課税されます。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式が国税庁で示されています。
不動産は路線価や固定資産税評価額などを基に相続税評価額を求め、預貯金など他の財産と合算して課税の有無を判定します。
このため、不動産単体ではなく、相続財産全体のバランスを踏まえて税負担をイメージすることが大切です。

次に、相続した不動産を売却した場合の譲渡所得税と住民税について見ていきます。
譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて計算し、利益が出た部分に対して所得税と住民税が課税されます。
相続や贈与で取得した不動産の取得費は、被相続人が購入した際の代金や手数料などを引き継ぐと国税庁が説明しています。
また、所有期間の判定も被相続人が取得した日から通算し、一定期間を満たせば長期譲渡所得として、短期より低い税率が適用される仕組みです。

さらに、相続税を納めた場合には「相続税額の取得費加算の特例」が重要になります。
これは、相続や遺贈により取得した財産を一定期間内に譲渡したとき、負担した相続税の一部をその不動産の取得費に加算できる制度です。
取得費が増えることで譲渡所得が抑えられ、その分、譲渡所得税と住民税の負担軽減につながります。
ただし、加算できる相続税額には計算上の上限や細かな要件があるため、相続税申告書や評価明細書を確認しながら慎重に検討することが欠かせません。

税金の種類 主な対象場面 売却時の意識ポイント
相続税 相続開始から申告・納付まで 基礎控除と全体の評価額確認
譲渡所得税・住民税 不動産売却の翌年の申告時 取得費・譲渡費用・所有期間
相続税額の取得費加算 相続財産を一定期間内に売却 相続税申告内容と特例要件

相続人が損をしないための事前準備と相談先

相続した不動産を売却する前に、まず相続人の範囲と持分を確定し、遺産分割協議や相続登記の状況を整理しておくことが大切です。
あわせて、被相続人がいつどのような金額でその不動産を取得したか、取得費やリフォーム費用などの資料も集めておくと、譲渡所得の計算がスムーズになります。
さらに、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書などをそろえておくことで、評価額や権利関係を早期に確認できます。
こうした基本情報を事前に整理しておくと、売却価格の検討や税金の試算が行いやすくなります。

次に、税負担を抑えるために利用できる特例や控除を早めに確認することが重要です。
相続税については、基礎控除額や配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例などを検討し、申告期限である相続開始を知った日の翌日から10か月以内に間に合うようスケジュールを立てる必要があります。
不動産の売却については、長期・短期の区分や居住用財産の3,000万円特別控除、空き家に関する特例、相続税額の取得費加算の特例など、適用の可否と必要書類を事前に確認しておくと安心です。
それぞれの特例は併用の可否や要件が細かく定められているため、早い段階で全体の見通しを立てることが損失防止につながります。

さらに、不動産の売却や税金に不安がある場合は、早めに専門家や不動産会社へ相談することがおすすめです。
相談の際には、相続関係を示す戸籍関係書類、遺言書や遺産分割協議書、不動産の登記事項証明書や固定資産税の資料、売却予定の時期や資金計画などを持参すると、具体的な助言を受けやすくなります。
税金に関する詳細な試算や特例適用の可否は税理士に、不動産の権利関係や相続登記の手続きは司法書士に、それぞれ確認することが一般的です。
また、売却の進め方や価格の検討については、不動産の取引に詳しい担当者に、手続きや費用の説明を受けながら進めると安心です。

事前に整理する情報 早めに確認したい特例・控除 相談先と主な役割
相続人と持分の確定 相続税の基礎控除等 税理士による税額試算
登記名義と相続登記状況 小規模宅地等の特例 司法書士による登記手続
取得費やリフォーム費用 居住用財産等の特例 不動産会社による売却支援

まとめ

相続した不動産の売却では、不動産取得税・相続税・譲渡税の仕組みをセットで理解することが大切です。
相続で取得した不動産は原則として不動産取得税がかからない一方、遺産分割の方法や名義変更によっては課税が関係してくる場合があります。
また、相続税の基礎控除や評価額、譲渡税の計算では取得費や所有期間が結果を大きく左右します。
相続人や登記、取得時期・取得費などの情報を早めに整理し、特例や控除、申告期限も意識して進めることで、無駄な税負担を抑えやすくなります。
不安や疑問があれば、売却前の段階から専門家や不動産会社へ相談し、具体的な計画を一緒に立てることをおすすめします。

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改田享

資格:宅地建物取引主任者 賃貸不動産経営管理士 ほめ達3級

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