空き家のままだと固定資産税はどうなる?空き家対策特別措置法の内容と所有者のリスクを解説

2026-07-21

空き家


誰も住んでいない実家や相続した家を、そのまま空き家として放置していないでしょうか。
固定資産税は払い続けているものの、実際のところ税金がこれからどう変わるのか、そして空き家対策特別措置法が自分にどんな影響を及ぼすのか、不安に感じている方も多いはずです。
しかし、空き家を放置するのか、適切に管理するのか、あるいは別の活用方法を選ぶのかによって、将来の税負担やリスクは大きく変わります。
本記事では、固定資産税の仕組みと住宅用地の特例、空き家対策特別措置法のポイント、そして特定空家等に指定された場合の影響まで、所有者が知っておきたい基礎知識を整理して解説します。
今のうちに正しい情報を押さえ、損をしない空き家との向き合い方を一緒に考えていきましょう。

空き家を放置すると固定資産税はどう変わる?

固定資産税は、毎年1月1日時点の土地や建物の評価額に対して課税される地方税です。
都市計画区域内では、これに加えて都市計画税が課される場合があります。
住宅が建っている土地については、住宅用地特例が適用されることで税負担が軽減されます。
代表的なものとして、小規模住宅用地は課税標準が評価額の1/6、一般住宅用地は1/3に軽減される仕組みです。

空き家であっても、一定の条件を満たしていれば住宅が建つ土地として住宅用地特例の対象になります。
たとえば、建物が取り壊されていないことや、人が居住可能な状態をおおむね維持していることなどが重要です。
一方で、倒壊の危険が高い状態や著しく管理が行き届いていない状態になると、住宅用地として適切に利用されていないとみなされるおそれがあります。
このように、空き家を「住んでいない家」として放置するか、「きちんと管理された住宅」として維持するかで、税負担の前提が大きく変わってきます。

さらに、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、「特定空家等」に該当すると判断された場合には注意が必要です。
特定空家等として勧告を受けると、土地に対する固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が解除される可能性があります。
その結果、課税標準の軽減がなくなり、固定資産税額がこれまでより大きく増加することがあります。
空き家を長期間放置するほど、このような特例解除による将来の税負担増のリスクが高まる点を理解しておくことが大切です。

区分 土地の扱い 税負担の傾向
適切に管理された空き家 住宅用地特例の対象 固定資産税が軽減
管理不十分な空き家 住宅用地性の低下懸念 特例解除のリスク
特定空家等として勧告 住宅用地特例の不適用 税額大幅増加の可能性

空き家対策特別措置法とは?所有者に何が求められる?

空家等対策の推進に関する特別措置法は、適切に管理されていない空き家が、防災や衛生、景観などの面で周囲の生活環境に深刻な影響を与えている状況を受けて制定された法律です。
この法律は、地域住民の生命や財産を守りつつ、空き家の活用も進めることを目的としています。
平成26年に成立し、平成27年に全面施行されて以降、空き家対策の基本的な枠組みとなってきました。
さらに令和5年12月13日には改正法が施行され、「管理不全空家等」の創設や活用促進の仕組みが追加されるなど、所有者の管理責任を一層明確にする方向で見直しが行われています。

この法律でいう「空家等」とは、居住やその他の使用がされていない状態が常態となっている建物と、その敷地を指します。
そのうち、倒壊の危険や衛生・景観面で著しい悪影響を及ぼすおそれがあるものが「特定空家等」とされ、市区町村は指導や勧告、命令、行政代執行(強制的な取り壊しなど)まで踏み込むことができます。
さらに改正により、特定空家等になる前の段階で管理が不十分な「管理不全空家等」という区分が設けられ、早い段階から所有者に改善を促せるようになりました。
これにより、自治体は調査を行い、助言・指導から勧告、命令、行政代執行へと段階的に措置を進める仕組みが整えられています。

空き家を放置している所有者は、この法律によって一定の義務やリスクを負う可能性があります。
まず、自治体からの助言や指導に応じず改善が見られない場合、「管理不全空家等」や「特定空家等」として勧告や命令の対象となり、必要な修繕や樹木の伐採、さらには除却(解体)を求められることがあります。
命令に従わない場合には、行政代執行により自治体が代わりに取り壊し等を行い、その費用を所有者が負担することも想定されています。
加えて、「特定空家等」への勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増える可能性もあるため、法律上のリスクと税金の両面から、早めの管理や利活用を検討することが重要です。

区分 主な状態 所有者の主なリスク
空家等 使用されていない建物敷地 調査や助言・指導の対象
管理不全空家等 放置すれば特定空家等予備軍 改善勧告や是正要求の対象
特定空家等 倒壊危険・衛生悪化など著しい影響 命令・代執行・税負担増の可能性

「特定空家等」になると固定資産税はこう変わる

まず、「特定空家等」とは、放置すると倒壊などにより著しく危険となるおそれがある状態や、衛生上有害となるおそれがある状態、景観を著しく損なう状態、周辺の生活環境の保全のため放置が不適切と認められる状態の空き家を指します。
一方で「管理不全空家等」は、そのまま放置すれば将来「特定空家等」になってしまうおそれが大きい空き家であり、現時点で直ちに著しく危険とまではいえない点が異なります。
いずれも、市区町村による調査を経て判断されるため、所有者が自己判断で区別することは難しく、客観的な状態と管理状況が重視されます。
日常的な見回りや清掃、植栽の管理などを怠ると、段階的に「管理不全空家等」から「特定空家等」へと進んでしまうおそれがあります。

「特定空家等」と判断された空き家について、市区町村長から必要な措置をとるよう勧告を受けると、その敷地は固定資産税と都市計画税における住宅用地特例の対象から外れる仕組みになっています。
住宅用地特例が適用される土地は、固定資産税の課税標準が小規模住宅用地で評価額の1/6、一般住宅用地で1/3に軽減されますが、「特定空家等」の敷地で勧告を受けると、こうした軽減が解除されます。
その結果、課税標準が増加することで税額も大きく上昇し、土地の状況によっては数倍程度にまで負担が増える可能性があります。
空き家を「建物が建っているから税金が安い」と考えて放置すると、この特例解除により、かえって税負担が重くなる点に注意が必要です。

ただし、勧告を受ける前後の段階で、所有者が取れる対応にはいくつか選択肢があります。
例えば、傾いた塀の補修や屋根・外壁の修繕、雑草や樹木の伐採などにより危険性や周辺への悪影響を解消することで、「特定空家等」と判断されることを防いだり、既に指摘された状態を是正したりすることができます。
また、老朽化が著しい場合には、建物を除却して更地として利活用する方法もありますが、その際の固定資産税の取り扱いや将来の活用計画を踏まえて検討することが重要です。
いずれにしても、空き家を適切に管理し、早めに対策を講じることで住宅用地特例を維持し、無用な税負担増を避ける考え方が大切です。

区分 主な状態 税負担への影響
適切管理の空き家 危険性や悪影響が小さい状態 住宅用地特例が継続
管理不全空家等 放置で特定空家等となるおそれ 指導や勧告で将来解除リスク
特定空家等 倒壊危険や著しい悪影響の状態 勧告で住宅用地特例が解除

空き家放置のデメリットと、損をしないための具体的な選択肢

空き家を放置すると、固定資産税や管理費用の負担が続くだけでなく、建物の老朽化により資産価値が下がりやすくなります。
さらに、倒壊や火災による周辺への被害、侵入や不法投棄など犯罪の誘発といった危険も指摘されており、地域全体の生活環境を悪化させる要因になります。
国土交通省の特設サイトでも、適切な管理が行われない空き家が「管理不全空家」や「特定空家」に認定されると、行政による是正や税負担増につながる可能性があるとされています。
このように、放置は所有者にとっても近隣にとっても大きな不利益となるため、早めに対応方針を検討することが重要です。

空き家を放置せずに済む方法としては、売却や賃貸、解体して更地にするほか、定期的に利用して別荘や二拠点居住の拠点とする自己利用など、複数の選択肢があります。
また、国土交通省が情報提供している「全国版空き家・空き地バンク」など、公的な仕組みを通じて利活用を図る方法も整備されています。
いずれの方法を選ぶにしても、固定資産税や解体費用、リフォーム費用、将来の相続まで見通した資金計画を検討することが大切です。
それぞれの特徴とリスクを整理したうえで、自身や家族の事情に合う現実的な活用策を選びましょう。

すでに空き家として固定資産税を払い続けている場合は、まず現状と費用負担を整理し、今後何年放置した場合に総額でいくら支出することになるか試算してみることが有効です。
そのうえで、売却・賃貸・解体・自己利用といった選択肢ごとに、おおまかな費用と期待できる収入やメリットを書き出し、比較検討すると判断しやすくなります。
空き家対策特別措置法や固定資産税の住宅用地特例の最新の運用状況は複雑になっているため、個別事情に応じて専門家へ早めに相談することが、損失を最小限に抑える近道です。
当社でも、空き家の現状整理から活用・処分の検討、関係機関への相談の進め方まで、段階的にご一緒に考えてまいります。

空き家放置の主なリスク 放置しないための選択肢 早期相談で得られるメリット
倒壊や火災による被害拡大 売却や賃貸による活用 固定資産税負担の長期削減
不法侵入やごみ投棄の発生 解体や更地としての活用 特定空家等指定リスクの低減
景観悪化や近隣トラブル 定期管理や自己利用の実施 資産価値維持と円滑な相続

まとめ

空き家を放置すると、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例が外れ、税負担が大きく増える可能性があります。
さらに、特定空家等に認定されれば、倒壊リスクや近隣トラブルへの対応費用も重くのしかかります。
一方で、早めに管理や活用、売却などの方針を決めて動けば、税負担やリスクを抑えることができます。
「うちの空き家は大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じた方は、ぜひ一度当社へご相談ください。
現状の確認から今後の選択肢の整理まで、わかりやすく丁寧にサポートいたします。

お問い合わせはこちら

ブログ一覧ページへもどる

まずはご相談ください!

072-843-2800

営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜日

改田享の画像

改田享

資格:宅地建物取引主任者 賃貸不動産経営管理士 ほめ達3級

売却不動産募集中!相続した空き家も積極的に買取ります。当社は迅速・丁寧・納得査定をお約束致します。大手ではございませんので、一度にたくさんの物件は取り扱い致しません。マンツーマンでじっくりと売却したいというお客様はぜひ改田迄。お部屋探しからのご縁で将来のマイホーム購入、ご実家の売却まで携わる事ができました事も深く感謝申しあげます。末永く皆様に可愛いがっていただけますと幸いでございます。

改田享が書いた記事

関連記事

売却査定

お問い合わせ